Takagi Lab.

研究紹介

高木研究室では、データの処理や伝送、蓄積を効率よく、高信頼に、安全に行うため、 論理関数論、論理設計手法などの基礎的な観点から、 理論と応用の両面の研究を行っています。

ハードウェアアルゴリズム、算術演算回路に関する研究

集積回路技術の進展に伴い、 これまでソフトウェアで解いていたさまざまな問題を 専用のハードウェアを構成して高速に効率よく解くことが 可能となってきています。 このような専用ハードウェアを開発する場合、 ソフトウェアの開発においてアルゴリズムの設計が重要であるのと同様に、 集積回路実現に向いた「ハードウェアアルゴリズム」を設計することが重要です。

研究室では、算術演算や信号処理などの個々の問題に対する 優れたハードウェアアルゴリズムを設計するとともに、 「ハードウェアアルゴリズム論」の確立を目指して、 ハードウェアアルゴリズムの系統的な設計手法の開発および ハードウェアアルゴリズムを解析するためのVLSIモデルなどの 研究を行っています。 また、提案したハードウェアアルゴリズムに基づいて、 実際に回路の設計を行い、LSIの試作も行っています。

論理設計、論理設計支援、論理設計検証に関する研究

集積回路技術の進展に伴い、開発される論理回路はますます大規模、 複雑化しており、高速、小面積、低消費電力等の要件を満たす 論理回路を迅速に、誤りなく設計するために、 より高度な論理設計支援手法の開発が求められています。

論理設計支援システムでは、論理関数の操作、回路の自動設計、 最適化などのための種々の処理を行います。 これらの処理を効率よく行うために、論理関数の性質、 計算機上での表現法・操作法の研究を行っています。 論理回路を VLSI として実現するために必要な性能のよい レイアウトを生成するためのアルゴリズムも、研究課題の一つです。 また、論理回路の設計の正しさや動作タイミングの正しさを 形式的に検証する研究も行っています。

論理関数、計算複雑さに関する研究

情報工学のさまざまな分野で現れる組合せ問題は、 論理関数として定式化することができます。 論理関数の性質や計算複雑さを探求することは、 効率のよい論理回路を設計するために重要であるとともに、 さまざまな問題の難しさを明らかにし、 ひいては、「計算」の本質を明らかにすることにつながります。 研究室では、組合せ論理回路や決定グラフ、 分岐プログラムなどの種々の計算モデルの計算(表現)能力、 計算モデルによる論理関数の分類、個々の論理関数の計算複雑さなどを 明らかにする研究を行っています。

ディペンダブルコンピューティング技術に関する研究

開発される論理回路がますます大規模、複雑化するに伴い、 回路の製造時の不良や稼働時の故障への対処が ますます重要な問題となっています。 研究室では、論理回路のテスト(故障検査)やテスト容易化設計、 冗長技術による不良品の救済、耐故障論理回路設計などの研究を行っています。 テスト容易化設計とは、回路のテストのコストを軽減するため、 回路自体をテストが容易になるように設計することです。 耐故障論理回路設計としては、回路が稼働時に故障したときに、 自動的に誤りを検出できるようにする設計が挙げられます。

暗号化・復号回路に関する研究

データの伝送を安全に行うためには、 暗号系の技術が欠かせません。 インターネット時代を迎え、暗号技術の重要性はますます増大しています。 暗号の処理では、有限体上や剰余系での演算が用いられます。 研究室では、これらの演算を効率よく行うアルゴリズムや回路の研究を行っています。

音声や映像の認識回路アーキテクチャに関する研究

携帯やカーナビゲーションシステム等の機器おいて、 自然でユーザフレンドリなヒューマン インタフェースが望まれています。 研究室では、音声や動画の認識の専用回路のために、 認識モデルのパラメータやリアルタイム性等の要件に応じて 回路を作成する方法や、 これらに柔軟に対応でき、高速や省メモリな認識回路の アーキテクチャの研究を行っています。

超伝導集積回路を用いた計算機構に関する研究

超高速・超低消費電力などの優れた特長をもつ超伝導デバイスを用いて回路を設計し、 高性能な計算機構を実現するための研究を行っています。 半導体向けの回路構成法や設計技術の適用は困難であり、 超伝導集積回路独自の特性を生かす設計を行う必要があります。 現在、超伝導体デバイス、プロセス、また、計算機アーキテクチャの研究グループとの 共同研究プロジェクトを推進しています。